緩急のある映像づくりも印象的
第1話の構成から見てとれるように、法廷がメインのドラマではなく、あくまで依頼者を焚きつけるまでの“過程”に重きが置かれていることがわかる。宇崎が山上工業の顧問弁護士である桐石拓磨(及川光博)に言われた「お前、新人か?」というセリフや、桐石が嫌なやつだったと報告する宇崎に対して轟が嘆息する「知ってるよ」など、巧妙に張り巡らされていた伏線も見事。
宇崎が車のルーフにしがみついて回転するシーンなどは、ドラマではあまり見かけない構図でのカーアクションで、視聴者をあっと驚かせる演出にも余念がない。スタイリッシュな音楽と映像でクールに決めたかと思えば、小気味いいテンポで交わされる会話劇へとスムーズに移行するなど、緩急のある映像づくりも印象的だった。
今後は宇崎の父親が起こした交通事故の真相、そして、轟が捜査一課の刑事である浅見涼子(りょう)と交わしたやりとりが、作品を通してカギになってくるはずだ。
ここ最近、TBSの金曜ドラマは重厚なヒューマンサスペンスが立て続けに放送されている。『イグナイト -法の無法者-』も、その流れを色濃く踏襲するドラマとなりそうだ。
(文・ばやし)
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