ドラマ『あなたを奪ったその日から』第1話考察&感想。北川景子の芝居に震えた…復讐するには十分すぎる絶望シーンとは?【ネタバレ】
text by 西本沙織
北川景子主演のドラマ『あなたを奪ったその日から』(カンテレ・フジテレビ系)が放送開始した。本作は、食品事故で子どもを失った母親が、事故を起こした男の娘を誘拐するサスペンスドラマ。復讐と親子愛の壮大なストーリーだ。今回は、第1話のレビューをお届けする。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:西本沙織】
1992年生まれ、広島在住のライター。会社員として働くかたわら、Web媒体でエンタメに関するコラムやレビュー記事の執筆を行っている。ドラマや映画、マンガなどのエンタメが好き。
悪と言ってしまうにはあまりにも酷…。
彼女がしたことは罪なのだろう。けれど、ただ悪と言ってしまうにはあまりにも酷である。『あなたを奪ったその日から』の第1話を観て、心の底からそう感じた。
これまで、『氷点』(テレビ朝日系)、『八日目の蟬』(NHK総合)、『Mother』(日本テレビ系)など、さまざまなカタチで綴られてきた母と子をめぐる物語。本作では、わが子を失った事故の真相を追いながらも、自らの犯した罪に苦しみ、それでも生きていく、サスペンスフルな親子愛が描かれていく。
夫の景吾(高橋光臣)、3歳の娘・灯(石原朱馬)と、しあわせに暮らしていた皆川紘海(北川景子)。しかしその生活は、「YUKIデリ」のピザを口にした灯が、エビによるアナフィラキシーショックで亡くなったことにより一変する。
保育園で調理師として働いていた紘海は、娘のアレルギーに人一倍気をつけていた。もちろん食品表示でエビが入っていないことも確認していたが、ピザにアレルギー食材が混入した経緯は不明。そして、のちに明確な過失は認められないとされ、「YUKIデリ」は不起訴となった。