母性と復讐のあいだで揺れる紘海(北川景子)
物語が大きくうねったのは、灯と同い年の旭の娘・萌子(倉田瑛茉)を図らずも誘拐してしまったとき。車で移動中、紘海の車に灯のためのチャイルドシートが残っていたのがもの悲しかったし、そこに憎むべき相手の娘をちゃんと座らせていたのもなんだか切なかった。
旭の一番の宝物である娘を殺せば、憎しみはなくなるのだろうか? 楽になるのだろうか? 灯は救われるのだろうか? しあわせな生活は戻るのだろうか?
それはわからないけれど、ただ萌子にはなんの罪もなく、それは紘海が最もよく知っている。愛と、憎しみは本当によく似ている──。母性と復讐のあいだで、彼女はこれからどこへ向かっていくのだろうか。
灯のアナフィラキシーは「YUKIデリ」のピザが原因とは限らない場合も…?と考えたが、事故を追う記者・東砂羽(仁村紗和)によると、殺人事件の可能性があるらしい。一見仲睦まじそうにみえた結城家もなにやらワケアリのようだし、やけに豪邸住まいなのも気になるところ。
多くの謎を散りばめた『あなたを奪ったその日から』。母と子の物語、事件の真相を、最後まで見守っていきたい。
(文・西本沙織)
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