「逃げる」ことも1つの手

『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』第4話©TBS
『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』第4話©TBS

 晶子は実際にすり減り、追い込まれていた。たとえ親であったとしても人の人生にとやかく言う権利はない。その人の人生はその人だけのもので、何よりも尊重されるべきものだからだ。

 子を持つこと、大きく見れば人生というものがテーマとなっていた第4話。答えはひとつではないし、これと決めつけるにはあまりに大きな問題だったと感じる。そんな中で、詩穂(多部未華子)が示したのが「逃げる」という選択だったのは単純かつ痛快だった。

 自分に関わってくる人が、悪気はなかったとしても傷つけてくるのであれば、一切関わらなければいい。簡単な話だが、真面目に生きている人ほどなかなかできない動き。それを詩穂は晶子の手を引いて軽やかに成し遂げるのだった。

 他ならぬ詩穂自身も過去に逃げたことがあった。母親を亡くし、父と暮らしていたが、自分のことをしながら父のために主婦として働いていた当時はきっとすり減っていたのだろう。そんな自分を守るために、家を出るというひとつの選択を行っていた。現在の彼女を見れば、その決断に間違いはなかったとわかるし、詩穂も後悔はないと話している。

 詩穂の後押しを受け、晶子も動き出す。無理に子供を作ろうとすることをやめ、保育士としての経験を活かし、医院をリニューアルしたいという思いを語る。

1 2 3
error: Content is protected !!