ひとは、”持っていないもの”の話になると冷静ではいられない?
ともすれば重すぎるテーマとなりかねない第4話だったが、「走って逃げ出す」という最終的な結論で一気に爽やかに解決した。さらに、晶子の周囲の人間も話せばわかってくれる人間だったことも救いだ。夫はそもそも優しく晶子のことをよく理解してくれていたが、義母も晶子の“宣言”を聞いて受け入れてくれているように見え、温かなラストとなった。
「隣の芝生は青く見える」や「よそはよそ、うちはうち」といった言葉があるように、他人が羨ましく見えてしまうのは人間として自然な感情だ。だが、実際のところその人の苦労はその人にしかわからない。
『対岸の家事』を見ていれば、共働き家庭の礼子(江口のりこ)のしんどさは痛いほど伝わってくるが、彼女も会社で子供の話をすれば、持つ者と扱われ「高慢」とさえ批判されてしまう。
そこには、自分が持っていないものの話になると、冷静ではいられなくなるという効果も働いているのだろう。
要するに、人から見えている部分なんてほんの一部でしかないし、すべてを理解することはできない。だからこそ、悪気はなかったとしても、人に対する行動や発言を改めて気をつけようと、自戒したくなる第4話だった。
(文・まっつ)
【関連記事】
・【写真】江口のりこ、多部未華子らキャストの貴重な未公開写真はこちら。『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』劇中カット一覧
・ドラマ『対岸の家事』第3話考察&感想。江口のりこの頑張る姿がつらい…。
・ドラマ『対岸の家事』第2話考察&感想レビュー。ディーン・フジオカ”中谷”が辛辣すぎる…。
【了】