人見が日の出鉛筆にやってきた「意義」とは?

『人事の人見』第3話 ©フジテレビ
『人事の人見』第3話 ©フジテレビ

 さて、1話、2話と暴走気味の人見だったが、今回は少しばかり抑えめのように見えた。ここまでとの違いを考えてみると、誰にも相談せずに突っ走っていたのが、人事部の面々にきちんと話を通すようになったところかもしれない。人事部側が、人見の話に耳を貸すようになったことも大きいだろう。

 そんな人見の、個人的な一番の注目ポイントは森谷との対話シーンだ。学生時代を振り返り、「ずっとひとりだった」とつぶやく森谷に向かって「俺がいるじゃん」とさも当然のように言う。

 こういう場面での「俺がいるじゃん」は言っても許される人間が限られる。少しでも下心が見えたらダメ。良い格好をしようとしているだとか、森谷を口説こうとしているとか、そういったものが見えたらアウトだ。

 しかし、人見の場合は「え、だって今は俺がいるじゃん!」という事実をただ無邪気に口にしただけなのだ。その言葉が無垢なものだと、森谷は知っている。なにせ彼女は人見が入社してきたときから観察していたのだから。

 森谷は恋に落ちかけているけれど、相手が人見だと前途多難だ。ただ、「ずっとひとりだった」という森谷の心に別の誰かが入り込んだ事実はとても大きなことのように思う。

 人事部自体もそうだが、関わった人たちを変えつつある。次第に、人見が『日の出鉛筆』にやってきた「意義」も分かってきそうだ。

(文・ふくだりょうこ)

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