追いつめられる大黒修二(田辺誠一)が出した答え
また、救急科科長・大黒修二(田辺誠一)も、選択を求められたひとりである。「重症患者は受け入れない」という病院の方針を無視した朱羅の強行が続き、院長・不動勝治(佐野史郎)から降格のお達しが。蛇に睨まれた蛙状態の彼には、もう後がない。そんな折、かかってきた重症患者の受け入れ要請の電話。その患者とは、大黒の息子だった。
むしろ息子だからなのか、設備の整った病院への搬送を促すが、どこも断られた後。そんななか、「必ず修羅場から救ってみせる!」と最初に決断したのは朱羅だった。朱羅の熱に触発されるように、自らも手術に助力する大黒。
のちに大黒は「助ける自信がなくて受け入れを迷ってしまった」と語るが、それでも息子を助けるために朱羅と修羅場を共闘した彼は、出世にしがみつくただの中間管理職ではなく、間違いなく命と向き合う医者だった。
新病院設立、救急科廃止のため、上層部では朱羅を外科に転属させる話が進む。そこには、「救急科は儲からない」という意外とシビアなお金の問題があった。さらに、水面下では外科科長・金剛又吉(鈴木浩介)と不動による救急科への妨害も。鈴木浩介の陽気でコミカルな演技によって、金剛の小物感が絶妙に際立っていて面白いのだが、医師としてはどうなのだろうか…というほどにたちが悪い。
それぞれの思惑が絡み合う中で、朱羅がそんなもの関係ないと言わんばかりに真っ直ぐと命だけを見つめていたのがとても印象的だった。彼女の行く道を、引き続き追っていきたいと思う。
(文・西本沙織)
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