颯斗(宮近海斗)の心に火をつけたもの

『イグナイト –法の無法者-』第2話©TBS
『イグナイト –法の無法者-』第2話©TBS

 徹底的にいじめ疑惑を隠蔽しようとする大学側の対応に、怒りを露わにする宇崎。チーム全体に迷惑がかかるからといじめを矮小化しようとする周囲の圧力は、現実にも確かに存在すると思わせる生々しさがあった。

 大学側に乗り込んでいった宇崎と轟は、示談で解決しようとする相手側の主張を跳ね除けて、徹底的に抗戦するためにハッタリをかけて勝負に打って出る。両親からの委任もなく、証拠を提供してもらうのは違法行為。しかし、彼らは無法者たちが集結する法律事務所なのだ。

 加えて轟には、嘘を本当にひっくり返す自信があったのだろう。もしくは、自殺未遂を試みた少年の両親や弟の颯斗(宮近海斗)の胸に燻る火種に着火するには、宇崎の熱量しか手段がないと博打に打って出たのかもしれない。

 バスドラムの重低音と歪んだギターの音色が聞こえてきたら、臨戦態勢が整った合図。若干、治安の悪いストーリーを盛り立てる劇伴は、洗練されたこだわりを感じる。りょうが演じる浅見が気怠そうに廊下を歩いていくタイトルバックも、今話のハイライトになりうるぐらいのインパクトがあった。

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