ドラマ『魔物』第2話考察&感想。塩野瑛久“凍也”の色気に抗えない…視聴者をより興奮させる演出とは?【ネタバレ】

text by 苫とり子

麻生久美子主演の金曜ナイトドラマ『魔物(마물)』(テレビ朝日系)が放送開始した。本作は、『梨泰院クラス』のSLLとテレビ朝日による、日韓共同制作によるオリジナル作品で、美しくも上質な禁断のラブサスペンスだ。今回は、第2話のレビューをお届け。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

救世主の裏切り

『魔物마물』第2話 ©テレビ朝日・SLL
『魔物마물』第2話 ©テレビ朝日・SLL

「巧みに相手の心理を読む攻撃型フェンサーです。はじめはこっちが攻めてるようでも、いつの間にかゲームを支配されてるような…」

 あやめ(麻生久美子)が凍也(塩野瑛久)の魅力に溺れていく『魔物(마물)』第2話。2人がトイレで激しく求め合うシーンに挿入される凍也のフェンシング仲間の“証言”が波乱の始まりを告げていた。

 あやめの恩師でもある大学教授・名田奥太郎(佐野史郎)が変死を遂げ、凍也が殺人の容疑で逮捕される。決め手となったのは、事件が起きた夜に現場から去る凍也の姿を目撃したという最上陽子(神野三鈴)の証言だった。そこから凍也と名田家の間に横たわる確執が明らかになる。

 母親が家を出て行った後、父親に暴力で支配されていた凍也。そんな彼を救ったのが、高校の同級生で奥太郎と陽子の息子・潤(落合モトキ)だった。潤から誘われてフェンシングを始めた凍也は生きがいを得る。裕福な家に生まれた潤とは家庭環境の違いを超えた友情で結ばれていた。

 さらに父親の死後、凍也は陽子の好意で名田家の離れに住まわせてもらうことに。そこだけ見ると名田家の人々は凍也にとって救世主だ。ところが、大学への推薦がかかったインターハイで陽子は息子可愛さに学校へ圧力をかけ、凍也を棄権させる。人に恩を売って、散々利用した挙句に捨てる――それが陽子の昔からのやり方だった。

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