本作における謎が少しずつ明らかに…。
本作は多くの謎に包まれているが、3話以降でそれらが少しずつ解き明かされている。ドリームグループ会長・公威(北村有起哉)に関することも本放送では少し分かった。
放送が始まってしばらくは、公威が少年野球をサポートし、周囲に気さくに接する穏やかな性格の男性だと思っていた。しかし、東都テレビの記者・十和子(板谷由夏)に子ども時代の辛さを語る姿、人を番組内で笑わせる自分の姿を見て「みんな好きだよね、ピエロ」とつぶやく姿に、深い闇を抱えている気配を感じた。
海斗についてもいくつかのことが分かった。彼は公威と面識があり、しかも「ヒーちゃん」という愛称で呼ばれるほど親しい。また、海斗は“勝者ではない者”の気持ちを嫌というほど理解しているようであったが、社会的な弱者として心に傷を負った経験があるのだろうか。
公威と海斗は「みんな冷たい水の中で凍えてんだよ。楽にしてやんなきゃ」「早く楽にしてやろう。この国を2人で」と語っていたが、2人は社会的に恵まれない人たちに対して歪んだ使命感に駆られているようにも見えた。
本作における謎はこれらだけではない。十和子が誠司を殺人者と認識していることも気になる。前回の放送で、十和子は「悪魔が戻ってきた」と誠司を恐れていたが、本放送では誰かの葬儀で十和子が誠司に「人殺し」と言い放つ回想シーンがあった。誠司は児童養護施設・希望の道で働く前に何らかの事件に関わった可能性があろう。自身の罪の償いとして、教え子に親身になっているとも考えられないだろうか。
数々の謎に包まれた本作を今後も見逃せない。
(文・西田梨紗)
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