不穏な空気が漂う結城家
一方、萌子がいなくなってから、結城家では不穏な空気が漂っていた。長女の梨々子(平祐奈)は、おそらく旭からの“親の愛情”を欲している。玖村毅(阿部亮平)をセクハラ家庭教師呼ばわりしたのも、娘をほったらかしにする父の気を引くためなのではないだろうか。
海上で萌子の靴が見つかったことが信じられず、旭は誰かが萌子を奪ったのだと思い始める。事件か事故か不明、娘が戻ってこない状況は、まさしく1年前の紘海と同じ状況。
それでも、旭は因果応報という考えを断ち切り、1年前のことを“事故”と言い続けている。
記者の東砂羽(仁村紗和)は、「旭がエビの混入を隠蔽した」というタレコミをたよりに取材を続けているが、進展はないようす。しかし、旭が砂羽を誘拐犯と疑ってしまったことから、事件のにおいを感じ取られてしまったかもしれない。被害者の紘海のことも知っているから、思いがけないところで点と点が結びついてしまう可能性がある。
簡単に実の親のもとで暮らす方が幸せだ、と言えないのが難しくて。複雑な結城家と、紘海のもとでは、萌子はどちらにいた方がしあわせなのだろうと、ついつい考えてしまう。
次週からは、3年後が描かれる。今回で紘海の娘役をバトンタッチする倉田瑛茉は、ピュアな演技で、萌子の健気さと無邪気さをいきいきと表現してくれた。紘海と萌子あらため美海の行方も気になるが、はやくも“瑛茉ロス”になりそうだ。
(文・西本沙織)
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