あの頃と変わらないのんの瞳の輝き
今話の主役の座に躍り出たのは、これまで進藤の片腕として動いていたADの本橋(道枝駿佑)だった。研究をサポートしていた栗林准教授(井之脇海)が大学時代の先輩だったこともあり、篠宮の独占インタビューに一役買ったものの、進藤の追求によって事態は急転直下。
本橋自身も情に流されて冷静な判断ができなくなったことで、進藤には「ジャーナリスト気取りのADくん」とまで言い切られてしまう。本橋を演じる道枝は歯痒い表情を見せながらも、瞳の奥に迷いと決意を交錯させる。本橋の感情が大きく揺れ動くシーンでも、道枝はその気持ちの高ぶりに勝るとも劣らない芝居を見せてくれた。
そんな道枝と同じように、多くの視聴者の目を惹きつけたのが、11年ぶりに民放ドラマへと帰ってきたのん。あの頃と変わらない瞳の輝きを放ちながら、さまざまな苦難を乗り越えていっそう洗練された芝居は、シリアスな空気感の中でも埋もれることのない強烈な存在感を示した。道枝とのんが対峙するシーンは言葉のやりとりだけでなく、表情の機微でふたりの葛藤が伝わってくるようだった。
ただ、どう考えても厳重な警備が敷かれているはずの病院や研究室に、何度も不法侵入できるのは設定として問題ないのだろうか。もはや報道マンというよりスパイさながらの動きを見せていた本橋も含めて、「ニュースゲート」のメンバーに諜報員の才能があるのだと反論されたら仕方がないが。