変わらない2人、変わった時代――それでも心を打つ第3期

『続・続・最後から二番目の恋』第3話 ©フジテレビ
『続・続・最後から二番目の恋』第3話 ©フジテレビ

 筆者自身、第1期からこのドラマを見続けてきたひとりとして、新シリーズの発表には喜びと同時に、少しの不安も抱いていた。しかし、その懸念は第1話の放送とともに吹き飛ばされた。

 第3期では、小泉今日子演じるテレビ局のプロデューサー・吉野千明が、定年まで残り1年という人生の節目を迎えようとしているところから物語が始まる。コロナ禍や訪日観光客の問題など、現代的な社会の空気を反映させつつ、千明は第二の人生へと歩みを進めていく。

 一方、中井貴一演じる長倉和平はすでに定年を迎え、セカンドライフの真っ只中。かつては“同じタイミングで人生の折り返し地点を迎えていた2人”が、今回は異なるステージに立っている。その対照的な立場の中で交わされる会話には、年齢を重ねたからこそ生まれる深みとリアルな重みがあった。

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