薬師寺(佐野晶哉)が抗議した理由は?
そんな懸念を早くも回収するように、梵天は院長の不動勝治(佐野史郎)と手を組んで、多聞から副院長の座を奪おうとしていた。しかし、救急科から心臓外科に移った患者のあるアクシデントによって、その毒牙は朱羅に向けられることに…。
朱羅が多聞の弟子と知ると、梵天は消防各所に「受け入れ拒否は絶対にしない」と触れ回り、救急科に苦境をもたらそうと企てる。1時間に10人。次々とくる患者に、救急科はパンク寸前。それでも受け入れを続ける朱羅に抗議したのは、研修医の薬師寺保(佐野晶哉)だった。
これ以上増えれば、今いる患者だってどうなるかわからない。保は技術や助けたい気持ちを持っていても、数の問題で医療が行き渡らないのではないかと危惧しているのだろう。
患者を見捨てることは絶対にできないと感情的になる朱羅の使命感も理解できるし、保の考えもよくわかる。だからこそ、助けにきた多聞の、両者の思いを掬うような「全部受け入れる、全員助ける」という言葉は、本当に心強かった。
明らかにキャパオーバーで患者の命も危なくなる可能性があったが、もし朱羅たちが受け入れなかった場合、消えてしまった命があるかもしれない。また、患者を受け入れないことは、命の選別をしているのと同等になってしまうのではないか。そう考えると、拒否はとても怖いことだ。でも、考えれば考えるほどに、難しい問題でもある。