ドキュメンタリーさながらの水中訓練
それにしても、訓練は苛烈そのものだ。「まともな現場などない」という想定の下で行っているだけに、見ているだけで恐ろしくなるトレーニングが次々と学生に課される。
今回でも水中訓練中に藤木が溺れてパニックを起こすというシーンがあった。プールでの訓練中では息が続かなくなってしまっても、水深は4メートルあるためにすぐには浮かび上がることはできない。そんな状況において失点が続けば、たとえ水中に慣れていようとすぐに溺れてしまうことは容易に想像がつく。
もはやドラマのシーンではなく、ドキュメンタリーの一場面とも見紛う石井の演技はすさまじかった。顔面の表情だけで焦りを演出し、こちらにも水の怖さを遺憾なく与えてくる水難シーンはドラマに緊張感を与えている。
それだけでなく、教材としての側面もあった。溺れた者に対しては一度水中に沈めるという対処法が正しいようで、最終的には後ろからアプローチして運ぶというのもためになる情報だった。