宇崎(間宮祥太朗)と伊野尾(上白石萌歌)のコンビに注目
恭子がわざわざ轟を頼ってピース法律事務所を訪れたのは、ベトナム人の技能実習生であるクオン(パース・ナクン)が事故で大怪我をしたことに由来する。
彼の労働環境の実態を調査するべく、クオンが働いていた二見水産加工のある帆刈町を訪れたのは、恭子から直々に依頼を頼まれた宇崎と、前回に引き続いてはたまた手を貸すことになった伊野尾(上白石萌歌)だった。
依頼を受け入れるべきだと主張する宇崎と、大金が手に入らないなら焚きつける意味がないと反対する轟のヒートアップする議論を見かねて彼女は手を差し伸べたようだが、PUFFYの「渚にまつわるエトセトラ」を歌いながら上機嫌でドライブを楽しむ様子を見ると、本当は帆刈町の海産物を食べたかっただけかもしれない。文句を言いながらもノリの良さを見せる宇崎とはいいコンビだ。
ただ、伊野尾もマイペースに仕事をこなすだけではない。原告を焚きつける轟のやり方に対しては「誰かの声を代弁するのが弁護士だから」と、弁護士としての信念を垣間見せる場面も。「法を知ることは声を出せるってことだから」と話す彼女の言葉からは、過去に自身の“声”を封じられた経験があるのではないかと予感させる。
伊野尾と同様に、裁判所で出くわした大手法律事務所に所属する千賀光一(田中直樹)を前にした高井戸(三山凌輝)の反応を見ると、彼らが小さな法律事務所にわざわざやってきたことには理由があるはず。ふたりが弁護士になった動機にも着目していきたいところだ。