『イグナイト』ならではのシーンとは?
それにしても、弁護士が主人公のドラマで毎回、これほどド派手なアクションシーンが見られるのも珍しい。争っているのが宇崎ばかりなのはご愛嬌だが。
圧巻だったのは、宇崎と伊野尾が技能実習生に犯罪の片棒を担がせている現場に潜入してから、最後に盗んだバイクで走り出すまでの約3分間。臨場感あふれる構図で撮影された長尺のワンカットは、この制作陣だからこそ実現できた象徴的なシーンだった。
今回の法廷では、現場に足を運んだふたりだけで二見水産加工の違法労働の実態を暴いて見せる。ゲスト俳優として参加したアンミカとドロンズ石本の芝居は言わずもがな、ひょうろくが演じた関口の「終わった終わった」のセリフもいい塩梅に悲壮感が漂っていてすばらしかった。
なかでも、アンミカは日頃バラエティで見るような関西弁に派手な衣装の姿とは打って変わり、割烹着姿で大衆食堂の女将に扮しており、普段とのギャップに驚かされた。
後日談として、轟がちゃっかりほかの実習生たちを焚きつけていたのも抜かりがない。ずっと何も知らされない宇崎も不憫だが、何が何でも真実を追求する彼に足りていないのは、訴訟を起こした依頼人の「そのあと」を考えることだろう。
最後に轟は娘の佳奈(藤崎ゆみあ)が宇崎の父の起こしたバス事故で亡くなったことを明らかにする。ふたりの関係性は事務所の上司と部下でありながら、加害者遺族と被害者遺族という立場になった。
さらに、轟や浅見(りょう)たちと因縁がありそうな人物として、湊市役所の市長(高嶋政伸)も登場しており、着々と物語のピースは集まりつつある。隠された真実につながる導火線は、もうすでに着火し始めているのかもしれない。
(文・ばやし)
【関連記事】
・【写真】アンミカの見た目が全然違う…貴重な未公開写真はこちら。『イグナイト –法の無法者-』劇中カット一覧
・ドラマ『イグナイト -法の無法者-』第2話考察レビュー。間宮祥太朗の目力がスゴい…“宇崎”が真実に執着するワケ
・ドラマ『イグナイト -法の無法者-』第1話考察レビュー。間宮祥太朗の演技がアツすぎる…視聴者をあっと驚かせた演出とは?
【了】