大人になることへの不安
成長するのは、悪いことじゃない。親離れをするのは、悲しいことじゃない。大人になるって、しんどいことが増えていくことでもあるけれど、それ以上に幸せなものもあるんだよ、とこのドラマは教えてくれる。
最近、宇多田ヒカルがリリースした楽曲「Mine or Yours」に、<どの道を選ぼうと 選ばなかった道を失う寂しさとセット>という歌詞があった。
千明が、かかりつけ医の成瀬(三浦友和)から亡くなった妻への想いを聞かされた時に、「そういう愛される人生っていうのもあるんですね。いいなぁ」と言っていたけれど、そっちの道を選んでいた千明が幸せだったかどうかは分からない。
それよりも、大事なのは今の自分を愛してあげること。そして、いくつになっても未来に恋をし続けることなんじゃないかと思う。
母に宛てた手紙に、「59歳でひとりで生きている娘が心配なのは分かる。分かるし、わたしだって考えると不安なことはいっぱいある。でもね、わたし結構幸せだと思うんだ。こんな人たちに囲まれて、ちゃんと生きてます」と綴り、鎌倉で出会った人たちと撮影した写真を同封した千明。
その写真たちのなかには、千明が愛し、千明を愛してくれるたくさんの人たちがいる。「わたし結構幸せだと思うんだ」と言える人生って、なんて素敵なんだろう。