2つのメッセージを両立させる岡田惠和の手腕
いつもはちゃらんぽらんに見えるけれど、典子は人一倍愛情深い。それは、「結局ね、あんたこう思ってんだよ。家族なのに、自分の気持ちなんて誰にも分からない。わたしたちには分からない。そりゃそうだ。分かんないよ。でも、わたしたちはずっとずっと分かろうとしてる。大事なのは、ずっと分かろうとしてるって気持ちなんじゃないの?」という言葉から伝わってくる。
また、典子の言葉を受けた和平が、「心配かけたくなかったんだって言うんだよな。いつも、こういう時、お前は。それが俺、いちばん嫌だよ。遠慮なく心配をかけ合えるのが家族じゃないのか? 心配かけたくなかったって言われるのが、俺いちばん悲しいよ」とずっと抱えてきた本音を伝えられたのも良かった。
そして、妻の知美(佐津川愛美)とともに、お悔やみの言葉を伝えに行った真平。その帰り道に、知美が「なんか、長倉家の人たちに会いたくなっちゃった」とふと漏らしたのもなんだかジーンときた。
家族の強固な絆を描く一方で、家族じゃなくても家族のような関係性を築くことができるんだよ…と教えてくれる『最後から二番目の恋』。この二つのメッセージを両立させられるのは、さすが脚本家・岡田惠和である。
これから、長倉家と千明たちがどのような人生を歩んでいくのか。じっくりゆっくり見守っていきたいと思う。
(文・菜本かな)
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