“適切”なロールモデルとは?

『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』第6話©TBS
『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』第6話©TBS

 ドラマの中でも、自ら進んで専業主婦を選んだ詩穂(多部未華子)は美容師という手についた職を生かさずにいることを周囲に「もったいない」と言われて考え込む。彼女がこの表情を見せているときは言われたことに納得せず、違う答えを探しているときだ。

 また、社内で行われる講演会の登壇者を探していた礼子(江口のりこ)は、会社のロールモデルとなる人物として、営業部時代の憧れの先輩で、社内で初めて女性管理職になった陽子(片岡礼子)に声をかける。

 一度は断られながらも熱意によって了承を得たのだが、上司の反応は芳しくない。どうやら陽子が子育てをしておらず、「ワークはあってもライフはない」ことがロールモデルとして適切ではないと考えられていたようだった。

 時代は変わった。バリバリ働いてキャリアだけを築いていくのなんて時代遅れ。ドラマ内でも若者たちが話している通り、仕事だけでなくプライベートも充実させていくことがいまの彼ら・彼女たちが考える正解なのだろう。

 しかし、時代が変わったとすれば、なぜロールモデルがそのひとつだと決めつけられるのだろうか。詩穂は言う。「ロールモデルっていう言い方で誰かに役割を押し付けてる気がするんです」と。

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