大河ドラマ『べらぼう』第17話考察。渡辺謙“田沼意次“の先行きが不穏なワケ。新章突入で期待のキャラクターとは?【ネタバレ】
text by 苫とり子
横浜流星主演の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK総合)が現在放送中。貸本屋からはじまり「江戸のメディア王」にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く。今回は、第17話の物語を振り返るレビューをお届けする。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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『べらぼう』第二章に突入!
大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』が第17回「乱れ咲き往来の桜」から第二章に突入した。“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)と田沼意次(渡辺謙)は亡き平賀源内(安田顕)の意志を胸に動き出す。
1780年(安永9)正月、歌舞伎の舞台『碁太平記白石噺』に「本重」と呼ばれる貸本屋が登場する。「細見を急ぎます」という台詞からも明らかなように、モデルは蔦重。
りつ(安達祐実)の紹介で知り合った作者の一人、烏亭焉馬(柳亭左龍)に頼んでさりげなく店を宣伝してもらったのだ。今でいうタイアップ広告みたいなものである。
結果的に『耕書堂』の認知度は急上昇し、「本重が実在する!」と蔦重目当てにお店を訪れる女性客も。一挙に刊行した青本を含む10冊の新刊は売れに売れ、その影響で吉原も潤うという願ったり叶ったりの状況だった。
だが、そこで満足するような男ではない。蔦重はさらなる販路の拡大を狙い、初となる本のジャンルに手を出すのだ。