ドラマ『Dr.アシュラ』第4話考察&感想レビュー。松本若菜の微笑がクール…ゴッドハンド崩壊で変化したことは?【ネタバレ】
text by 西本沙織
松本若菜主演のドラマ『Dr.アシュラ』(フジテレビ系)が放送中だ。本作は、こしのりょうの同名漫画を原作とした救命医療ドラマ。“アシュラ”と呼ばれる凄腕のスーパー救命医の活躍を描く。今回は、第4話のレビューをお届けする。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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患者がいう治療の“おまかせ”とは
「患者が医者を選ぶ時代」といわれる昨今。コロナ禍あたりから、そういった発想が強まったように感じる。病院を医者で選ぶというのも、ひとつの選択肢として、今や当たり前になったのではないだろうか。
『Dr.アシュラ』第4話でまず印象的だったのが、患者が主治医の金剛又吉(鈴木浩介)ではなく、杏野朱羅(松本若菜)を指名し、治療を“おまかせ”したこと。前回の、梵天太郎(荒川良々)によって患者たちがより抜かれていったシーンと、どこか対比する場面だ。
急性心筋梗塞で運ばれてきた患者の治療にバイパス術を挙げた金剛に対し、朱羅は専門医でも難しいといわれるPCI(経皮的冠動脈インターベンション)を提案する。とてつもない緊迫感のなかで流れるように動く朱羅の手さばきは、金剛が思わず神業と称賛してしまうほどに鮮やか。松本若菜の強い眼差しと凄みのある演技も相まって、ただただ固唾を飲んで見守ってしまう迫真のシーンである。
朱羅は患者のいう“おまかせ”を、「最高の治療をしてくれ」という意味に受け取った。もしかすると、治療は金剛が行っていても助かったのかもしれない。けれど、“最高の治療”とは、命を救うことはもちろん、患者の置かれている環境やその後の生活を考えることである、と。彼女は身をもって教えてくれる。