『いつか、ヒーロー』5話考察&感想レビュー。”ゆかり”の過去が辛すぎる…長濱ねるが放つ存在感の理由とは?【ネタバレ】
text by 西田梨紗
桐谷健太主演のドラマ『いつか、ヒーロー』(ABCテレビ・テレビ朝日系)が現在放送中だ。本作は、20年間消息不明だった謎の男が、夢を失くした若者達とともに腐った大人を叩きのめす不屈の復讐エンターテインメント。今回は、第5話のレビューをお届け。(文・西田梨紗)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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ゆかり(長濱ねる)の過去
一人の人間にはさまざまな表情があるため、“この人は〇〇だ”と他人が決めつけることはむずかしい。自分のことでさえ、“私は〇〇な人だ”と簡単に分かるものではないのだから…。
しかし、本放送で焦点が当たったゆかり(長濱ねる)は先週の放送回では彼女にも裏の顔があるのかと疑ってしまったが、当初から思っていたとおり、心優しく、繊細な女性であった。
ゆかりは大学教授の息子で育ちが良く、若手起業家100人にも選ばれた浩介(谷恭輔)と婚約関係にあった。浩介が「結婚してください」と緊張しながらプロポーズし、指輪を渡すシーンからは、ゆかりのことを大切に思う心が伝わってきた。しかし、二人の婚約は海斗(宮世琉弥)の介入が原因となったからなのか、浩介によって破棄された。
ゆかりが背負う過去も誠司の教え子たちと同様につらいものであった。両親の虐待により5歳で児童養護施設・希望の道に入所したものの、10歳で実家に戻された。“通訳になりたい”という夢を叶えるために奨学金で通訳の専門学校に進学したものの、学費滞納で中退。
その後、介護士資格を取得し、今は特別養護老人ホームで働いている。ゆかりは誠司(桐谷健太)と20年ぶりに再会した日、「夢」という言葉に感情を取り乱し、自分の現状を察してくれない誠司に怒りをあらわにしていたが、本当に苦労してきたのだ。