冷めた高井戸(三山凌輝)が秘める過去

『イグナイト –法の無法者-』第4話©TBS
『イグナイト –法の無法者-』第4話©TBS

 前回が伊野尾(上白石萌歌)の聡明さとチャーミングな魅力を伝えるエピソードだったのならば、今回は今まで冷めた対応が多かった高井戸(三山凌輝)の過去と、心に秘めた熱い思いが垣間見える回だった。

 一也の事情を探るために、牧田材木店の社員と騒いでいたスナックでは、黙々と歌唱に専念していた高井戸。贅沢にも三山凌輝が歌う長渕剛の楽曲をBGMにしながら語られた一也の尽力に心を震わせる宇崎を尻目に、高井戸は相変わらず冷めた目で事態を見つめる。

 しかし、そんな彼のそっけない態度には、父親の過去が影響しているようだ。酔った宇崎からウザ絡みをされた高井戸が放った「弱いやつらは潰されても仕方ないって話でしょ」という言葉とは裏腹に、彼は事務所に戻ったあとも原告側の権利を証明できる糸口はないかと調査を続ける。

 その根源にあるのは、歴然とした“怒りだった。宇崎はそんな高井戸が胸に秘める“怒り”に着火する。若干、ウザさは否めないものの、彼の暑苦しいほどの正義感だからこそ、高井戸の冷めきった心を焚きつけることに成功したように思う。

 宇崎が「焚きつけ要員」として着実に爪痕を残しているのを見ると、なぜかニヤニヤしてしまう自分がいた。もしかしたらそれは、彼が徐々に周囲から認められつつある証拠だからかもしれない。

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