俳優の熱と芝居が織りなすドラマの魅力

『イグナイト –法の無法者-』第4話©TBS
『イグナイト –法の無法者-』第4話©TBS

 もはやこのドラマの恒例となりつつある、裁判所に歩いていくカット。黒の衣装でバシッと決めた4人の歩く姿が映し出されると、おのずと観ている側のテンションも上がってくる。

 裁判中に一也が声を張り上げる場面は、予定されていたセリフというよりは、内心を言葉に出さずにはいられない突発的な怒りを感じた。そう観ている人に思わせるほどの芝居を俳優・原嘉孝は見せてくれていた。

 宇崎も以前までは原告を焚きつけることには消極的だったにもかかわらず、今は轟のお株を奪う勢いで周りを囃し立てる。お約束となりつつある大暴れアクションも忘れずにこなしており、少しぐらい調子に乗ってもバチは当たらないだろう。

 実際のところ、ピース法律事務所の連帯感は、宇崎の加入によってむしろ増したように思う。手段を選ばないやり方は褒められるような行いではないものの、自然と彼らを応援したくなるのは、チームに流れている空気が良い意味でカラっとしているからだ。

 見えないところで非合法な手段をとっていても、4人の会話に陰湿なムードは漂うことなく、むしろ意気揚々と原告を焚きつけては、燃え盛る炎を身に纏いながら法廷へと乗り込んでいく。

 そんな彼らの勢いの先頭に、宇崎の馬鹿正直なキャラクターと間宮の熱が込められた芝居があることは間違いないだろう。次回の宇崎は誰に着火するのか。待ち遠しい。

【著者プロフィール:ばやし】

ライター。1996年大阪府生まれ。関西学院大学社会学部を卒業後、食品メーカーに就職したことをきっかけに東京に上京。現在はライターとして、インタビュー記事やイベントレポートを執筆するなか、小説や音楽、映画などのエンタメコンテンツについて、主にカルチャーメディアを中心にコラム記事を寄稿。また、自身のnoteでは、好きなエンタメの感想やセルフライブレポートを公開している。

【関連記事】
【写真】原嘉孝の“熱い”演技が光る…貴重な未公開写真はこちら。『イグナイト –法の無法者-』劇中カット一覧
ドラマ『イグナイト -法の無法者-』第3話考察レビュー。アンミカの見た目が全然違う…弁護士ドラマ異例のシーンとは?
ドラマ『イグナイト -法の無法者-』第2話考察レビュー。間宮祥太朗の目力がスゴい…“宇崎”が真実に執着するワケ

【了】

1 2 3 4
error: Content is protected !!