母の日に描かれた、愛という名の暴走

『ダメマネ! ーダメなタレント、マネジメントしますー』第4話©日本テレビ
『ダメマネ! ーダメなタレント、マネジメントしますー』第4話©日本テレビ

 さすがだったのは、音也の母親を演じた伊藤歩だろう。この人が演じるということは、きっと一筋縄ではいかないのだろうと覚悟はしていたものの、想像以上だった。

 最初は息子に協力的な、無害な母親然とした佇まいを見せながら、徐々に息子への執着心を露わにしていく。監督に音也の失態を詫びるときの必死さや、インフルエンサーに情報を流したことで道子を睨みつける形相は怖いほどだった。

 5月11日という「母の日」に描かれた母の暴走。しかし、その暴走も子を思うがゆえのこと。最終的に彼女を止めたのは、息子からの感謝の言葉だった。

 肩を並べて親子が二人三脚で歩んでいけるのは貴重な時間。その時間を長く持ちながら感謝を伝え続けるのももちろん大事なことではあるが、本当の意味での感謝も恩返しも、独り立ちをしてこそ果たせるものなのかもしれない。そんなことを感じさせてくれる、温かな回だった。

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