「年をとるって、悪くない」
思い返せば、これまでのシーズンのなかで、えりなの孤独にスポットを当てた回って、あまりなかった気がする。
シーズン2の第9話でも、「本当に女の子としてお母さんにそばにいてほしいっていう時期は、もう過ぎた」と話していたえりな。彼女は、現在進行形で「寂しい」「悲しい」「お母さんに会いたい」と言うような子ではなかった。
でも、それはお父さんがいちばん辛いのを分かっていたから。えりなが、「ひとりで溜め込んで、時々お父さんに当たってたなって思う。ごめん」と言った瞬間、涙が止まらなくなった。
そして、感情がマックスになったのは、このやり取り。
「理屈っぽいし、まぁよく喋るなと思うんだけど、でも人としては好きだなぁって思う。それじゃダメですか? お父さん」
「……全然。もうそれで十分」
父娘ならではの歯がゆさが詰まった会話に、思わず胸が熱くなる。
えりなと同世代のわたしも、最近親と会話をする機会が増えてきた。
「育ててくれてありがとう」と素直に感謝を伝えられるようになったり、「あの時、すごい嫌だったんだけど〜!」と本音を言えるようになったのは、やっぱり大人になったからだと思う。そう考えると、第5話のサブタイトルにもあるように、「そっか、年をとるって、悪くないかもね」と思えてくる。