ついに旭(大森南朋)と対峙
旭が新業態スーパー「スイッチバック」を立ち上げ、今なお同じ業界で精力的に働くことに憤りを覚える紘海。波風立てず実子となった美海と今まで通り生活していくこともできたはずだが、紘海は灯(石原朱馬)の母でもある。だから、事実が隠蔽された可能性がある以上、何もしないことはできない。
保育園の管理栄養士を辞めた紘海は、「スイッチバック」の中途採用面接でついに旭と対峙する。旭からの「うちの店舗、どう思われましたか?」の質問に対し、ストレートに「楽しくない」と返す紘海。たくさんの家庭をみてきた管理栄養士だからこその的確な進言で、面接の圧迫した空気をもひっくり返していくのが清々しい。
「なぜ残念なスーパーの採用試験を受けたのか」と重ねた旭に紘海が告げたのは、母親として子どもに与える食べ物のことをどれだけ真剣に考えてきたかである。
かつて「子どもがなにを口にするかは、大人の手に委ねられています。なにかあったら、大人の責任です」と発言した旭。そんな彼に、灯、そして美海のためにいかに食と向き合ってきたのかを正面切ってぶつけたシーンは、ぐっと心に刺さるものがあった。