『天久鷹央の推理カルテ』第4話考察レビュー。見事な伏線回収に唸る…ドラマ随所に見られる”遊び心”に胸打たれたワケ【ネタバレ】
橋本環奈が主演を務めるドラマ『天久鷹央の推理カルテ』(テレビ朝日系)。橋本演じる主人公・天久鷹央が、医学的な知見と診断能力を武器に、事件や現象を鮮やかに解決する本格医療ミステリーだ。今回は第4話のレビューをお届けする。(文・浜瀬将樹)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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犯人が仕掛けた残虐なトリックとは?
怪奇現象の噂があった清和総合病院で、麻酔科医・湯浅春哉(馬場徹)が何者かに襲われ、首を切られて殺害された。現場の手術室には、虫垂炎の手術を行い、全身麻酔で意識もうろうとなっている鷹央の姉・天久真鶴(佐々木希)がいたのみ。さらに湯浅は、息を引き取る直前、真鶴に筋弛緩剤を打とうとしていた。真鶴を攻撃しようとしていたのか?
現場検証をした鷹央が「突然、死の危機に瀕した人間が生存本能以上の行動をとれるとしたら、2つだ。1つ、大切な人を守ろうとする。2つ、自分を襲ったものに反撃をする…。つまり犯人は姉ちゃんだ」とつぶやき、第3話は幕を閉じた。
今回、鷹央は、湯浅の上司である麻酔科部長・辻野咲江(安藤玉恵)が真犯人であることを突き止めた。
もともと麻薬中毒者だった辻野。院内で「怪奇現象を見た」と騒いだとき、湯浅に“麻薬による錯乱状態”を起こしていると見抜かれた。彼から「告発します」と警告された辻野は、湯浅を殺害する計画を立てる。一方、湯浅は仕事の世話をしてくれた彼女を更生させようとしていた。何度もチャンスを与えたのに、辻野は麻薬を使い続けたのだ。
飼っているペットに噛まれ、アナフィラキシーショックを起こしていた湯浅。そんな彼に辻野はカミソリ入りの脅迫状を送って指に傷をつけることに成功した。湯浅が真鶴の対応をしている最中、辻野は清潔な処置用の手袋と、アレルギーを引き起こすリポカリンを塗りこんだ手袋をすり替え、手術室をあとにした。
指先の傷口から血中にリポカリンが侵入した湯浅はアナフィラキシーを起こした。真鶴のそばで苦しんだ彼は、メスで首を切って気管切開を行おうとしたものの、うまくできず亡くなってしまった…というのが顛末だった。