団地に見出す“希望”
しかし、さとこは鈴さんから部屋をもらうことを決めた。これは、かなり覚悟が必要なことだったと思う。正直、老朽化している団地の一室をもらっても、維持が大変なのでは…? と心配になるが、さとこはこの団地に“希望”を見出しているのだろう。なぜなら、ここに引っ越してくる前のさとこは、持病のせいで後ろ向きになっていた。きっと、「どうせ、治らないのだから…」と思っていたのだろう。
でも、鈴さんや司(宮沢氷魚)に薬膳を教えてもらってから、「ちょっとでも健康に近づけるように頑張ろう」と前を向くようになった。病気になる前の自分には、もう戻れないかもしれない。
でも、薬膳をすることで、昨年よりもちょっと体調が良くなっていたら儲けものだ。さとこは、この団地にいると、そんなラッキーを積み重ねていけると思ったのだろう。
ただ、このタイミングで鈴さんの娘がやってきて、「母が、部屋を差し上げると言ったそうで。わたし、何も聞いてなくて」と言い出すなんて…。これから、一波乱起きそうな予感がする。