ウジン(ヘイテツ)が教えてくれたこと
さて、ウジンを演じるのは、前クールの『日本一の最低男』(フジテレビ系)で俳優デビューを果たしたヘイテツである。『日本一の最低男』では終盤のみの出演だったが、今作ではがっつりとレギュラー出演。今どきの青年らしさもありつつ、転職活動や人事部での出来事に心揺れる様子を繊細に描いた。
どこか達観しているようにも見えるが、自分は孤独だと思い、どこか寂しさを常に感じているようにも見える。本当は人事部のみんなはずっと仲間だというのに、そのことにも気づかずに。ある意味、ウジンは自分本位だった部分があるのかもしれない。それが人見によって周囲を強引に見回すことになり、自分の立ち位置を知ることができたのだろう。
同僚のプライベートには踏み込まない、というのは今や社会の新常識。ただ、心を開くには少し踏み込んでみる必要がある。現代ではその距離感が年齢差によっても異なる。そんな年齢差の価値観のズレはすり合わせるしかない。
「価値観が違うから」と距離を取ったままでは何も変わらない。勇気を出してほんの半歩、踏み込むだけでも、職場の人間関係というのは変化するはずだ。
【著者プロフィール:ふくだりょうこ】
大阪生まれ関東育ちのライター。
大学卒業後からライターとして活動、シナリオ制作やエンタメジャンルの記事を中心に執筆。
ドラマと邦画、ハイボールと小説が好き。
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