いまだからこそ響く根性論
東海林勇気(犬飼貴丈)の家庭にある問題や近藤守(前田旺志郎)のリーダーとしての歩みなどはあったものの、人にフォーカスを当てるというより、実習全体の流れをしっかりと見せるやり方は個人的にも好みで、これだけの辛い訓練を乗り越えなければ、彼らは真のPJにはなれないのだと改めて痛感させられる。
とはいえ、お約束的な流れもあるのが本作の見やすいところ。東海林が遅れ出したり、自分たちのいる場所を見失ったり、教官たちから予想外の追加訓練を課されたり、学生たちをあらゆる困難が襲う。それを乗り越える術というのはなにも不思議なものではない、根性だ。
主任教官・宇佐美誠司(内野聖陽)が口にした言葉を学生たちは叫びながら、“火事場の馬鹿力”として窮地を脱していく。根性論は誤りとして断じられがちな昨今だが、すでに宇佐美が言っていたように根性は決して安易に馬鹿にはできないもの。
自分で限界を決めつけることはせず、自分自身と向き合って訓練に取り組んできた学生たちだったからこそ、なんとかして山岳総合実習をクリアすることができたのだろう。
ただただ理不尽にしか見えていなかった訓練にもたしかに意味があった。第4話にして、ハイライトのような構成となり、「最終回か?」と思わず考えてしまっていたのもつかの間。ラストシーンでは、宇佐美が藤木さやか(石井杏奈)を呼んで脱落を直接告げるのだった。