静かに進行する「もう一つの魔物」

『魔物마물』第4話 ©テレビ朝日・SLL
『魔物마물』第4話 ©テレビ朝日・SLL

 かくしてドロ沼の愛憎劇が本格的に幕を開けた裏では、名田奥太郎(佐野史郎)殺人事件についての進捗もあった。検視の結果、名田の死因は電気コードを使った頸部圧迫による窒息死であることが明らかに。

 その後、なぜか名田の首にガウンの紐が巻きつけられていた。つまり、犯人は2人いるかもしれないということ。その一人として有力視されるのが、名田の息子・潤(落合モトキ)だ。

 両親を軽蔑し、かつ名田が只ならぬ関係にあった夏音に対して何やら執着心を見せている潤。彼もまたどこか狂気を孕んでおり、名田を殺していてもおかしくないと思わせるキャラクターだ。

 名田が殺害された後、その口座から海外の口座に500万がネット送金されていたことが判明した場面でも、潤の姿がインサートされている。もし誰かと手を組んで名田を殺していたのだとしたら、共犯者は凍也の可能性もあるが、それはあまりにも単純すぎるような気がしてならない。

 だとしたら、夏音か陽子か。いずれにせよ、この事件の真相があやめと凍也の行く末にも関わってくるのだろう。

【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

【関連記事】
【写真】麻生久美子&塩野瑛久の濃厚ラブシーン…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『魔物마물』劇中カット一覧
ドラマ『魔物』第3話考察&感想。塩野瑛久“凍也”の本性がヤバすぎる…松任谷由実の楽曲が思い起こさせるものとは?【ネタバレ】
ドラマ『魔物』第2話考察&感想。塩野瑛久“凍也”の色気に抗えない…視聴者をより興奮させる演出とは?【ネタバレ】

【了】

1 2 3 4
error: Content is protected !!