俳優・及川光博の演技に驚愕
記事の冒頭でカメレオン桐石の異名を紹介したが、もうひとりの“カメレオン”と呼べるのが、桐石を演じる俳優・及川光博だ。このエピソードで及川はいくつもの顔を使い分けては、高島を思うがままに騙していくのだが、驚くべきは表情を切り替えるスピード感。
宇崎といるときは冷静沈着で能面のような顔を崩さないのに、高島を前にするとチャラい笑顔を、脱税調査で訪れた国税調査官を相手どるとなると真面目な顔を瞬時に装着して、“人当たりのいい”桐石を見せつける。及川の表情変化は、まるでキャラが成り変っているような印象さえ受けた。
そんなカメレオン桐石の本領が発揮される国税調査官との攻防シーンは、第5話の大きな見どころのひとつ。いつもの裁判所へ歩くシーンで流れる臨戦態勢のBGMが、桐石と宇崎の変装カットで流れていることからも、彼らにとっての勝負どころであることが伝わってくる。
それにしても、宇崎の熱量がまさか商品開発への熱意として役に立つとは思わなかった。宇崎の手元は非常に怪しげだったものの、桐石の絶妙なアシストもあり、何とか難局を乗り切ることに成功している。