『あなたを奪ったその日から』第5話考察&感想。大森南朋の「悪人」イメージが一変…同じく「裏の顔」を見せたキャストとは?【ネタバレ】

text by 西本沙織

北川景子主演のドラマ『あなたを奪ったその日から』(カンテレ・フジテレビ系)が現在放送中だ。本作は、食品事故で子どもを失った母親が、事故を起こした男の娘を誘拐するサスペンスドラマ。復讐と親子愛の壮大なストーリーだ。今回は、第5話のレビューをお届けする。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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「人の心は万華鏡」

ドラマ『あなたを奪ったその日から』第5話©カンテレ
ドラマ『あなたを奪ったその日から』第5話©カンテレ

「人の心は万華鏡。どんな人でも見る角度を変えると、ガラリと違う顔が見えてくる」

『あなたを奪ったその日から』第5話は、この言葉にすべてが集約されたような回だった。旭(大森南朋)が立ち上げた「スイッチバック」に入社した紘海(北川景子)は、お客様相談室に配属されることに。旭が隠蔽した“なにか”を突き止めるべく機を狙っていたが、とある誹謗中傷の一件で旭へのイメージがくるりと変わりそうになる。

 月に数回、碑文谷店の「お客様の声」に投函される旭への心ないメッセージ。犯人はごく身近な社員で、旭はそのことに気づいていた。しかし、彼は“誰か”を問うことなく、この件を終わらせるのだ。

「子どもがなにを口にするかは親の責任」と放つ旭の無情な顔しか知らなかった紘海は、彼の意外な一面を見て混乱する。だからといって憎む気持ちがなくなるわけではないが、旭の懐の深さが復讐心に水を差しているあたり、紘海は少しばかり旭に近づきすぎたのかもしれない。とはいえ、これも旭の数あるなかの一面にすぎないのだろうけれど…。

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