揺らぐ立場、変わる視点

『キャスター』第6話©TBS
『キャスター』第6話©TBS

 真弓は娘を何としてでも助けるべく、強硬手段に打って出る。娘の命が危機に晒されている状況下で、その行動が犯罪行為だと心の底ではわかっていても、それでも動かずにはいられない。そんな母親の切迫した心情に、中村アンの芝居はどこまでも寄り添っていた。

 真弓と進藤とのやりとり、深沢と進藤の対面も気になるトピックだが、それ以上に第7話の次回予告では、進藤の娘・すみれ(堀越麗禾)が何らかの事件に巻き込まれていることが示唆される。

 さらには、そんな進藤に対して、華が問答無用でインタビューしようとする姿も予告では映し出されていた。つまり、第6話でそれぞれ「当事者」と「第三者」だったふたりの立場が逆転することになる。

 立場が入れ替わることによって、彼らが寄りかかる「正しさ」がどれほど強固なものなのか、否が応でも明らかになるだろう。華と進藤、ふたりの決断に注目が集まる。

【著者プロフィール:ばやし】

ライター。1996年大阪府生まれ。関西学院大学社会学部を卒業後、食品メーカーに就職したことをきっかけに東京に上京。現在はライターとして、インタビュー記事やイベントレポートを執筆するなか、小説や音楽、映画などのエンタメコンテンツについて、主にカルチャーメディアを中心にコラム記事を寄稿。また、自身のnoteでは、好きなエンタメの感想やセルフライブレポートを公開している。

【関連記事】
【写真】中村アンの演技に引き込まれる…貴重な未公開写真はこちら。『キャスター』第6話劇中カット一覧
ドラマ『キャスター』第5話考察レビュー。“日曜劇場らしい”清々しい結末…阿部寛の長台詞に引き込まれたワケ【ネタバレ】
ドラマ『キャスター』考察&感想レビュー。第4話で株が急上昇したキャストとは? スタッフ1人ひとりが見逃せないワケ【ネタバレ】

【了】

1 2 3 4
error: Content is protected !!