じぶんにとっての幸せとは?
透子は、鈴に老人ホームに入ってほしいと思っているようだ。たしかに、老いた親をひとり暮らしさせるのは心配すぎる。遠方に住んでいるのなら、なおのこと。ただ、鈴はずっと団地で暮らしたいと思っている。「自分の家やら、持ち物を手放すのは我慢できるけどね、自分の味で食べらんなくなるのは辛いわね」と話す横顔が切なかった。
老人ホームに入ったら、今のように自由に料理をするのはむずかしくなるだろう。好みの味付けでご飯を食べることもできなくなってしまう。団地のみんなと「おはよう」「行ってらっしゃい」「おかえり」「おやすみ」と言い合うことも。最終的に、美山母娘はどのような選択をするのだろう。
また、この団地にはひとり暮らしを謳歌しているウズラさん(宮崎美子)もいる。彼女は、息子夫婦に同居しようと言われた時に「気を遣う生活は疲れた」と断ったらしい。
その一方で、さとこの母・惠子のように「こんな広い団地にひとりでずっと暮らすなんて、わびしすぎる」と考える人もいる。第8話を通して、人間の幸せは、それぞれ違うのだなと改めて痛感した。では、わたしにとっての幸せってなんだろう。来週放送の『しあわせは食べて寝て待て』最終話までに、ゆっくり考えてみたいと思う。
【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
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