視聴者目線を意識した映像づくり

ドラマ『あなたを奪ったその日から』第5話©カンテレ
ドラマ『あなたを奪ったその日から』©カンテレ

―――他にこだわっている点があれば教えてください。

三方「連続ドラマということで、毎週見てもらわなければならないですよね。なので、撮影にしろ編集にしろ、ノイズを極力排除し、視聴者の皆さんが見たいものをダイレクトに届けられるよう、制作を進めています。

例えば映像としては、北川さんの顔のアップって皆さん絶対見たいので、撮影では、アップをどうやって見せるかを念頭に監督とディスカッションを重ね、ベストを目指しています。

僕らは、基本的に、まず『オフライン』と呼ばれる撮ったままの映像をつないだ映像を見て、その後、色調補正を施した映像を見て、仮に音楽や効果音がついた映像を見て、放送用の映像を見て、と…放送までに4回見ているんですが、仕上げまで気を抜かず、最後まで悩みながら作っていますね」

―――撮影中の苦労はありましたか。

水野「台本の設定は熟考を重ねましたね。例えば、作中では、灯の死の原因が『エビアレルギーによるアナフィラキシーショック』になっているんですが、元々はポテトサラダで食中毒で亡くなるという設定でした。

でも、食中毒だとYUKIデリ(食品事故を起こした惣菜店)の責任のあり方が変わるし、この先分かっていく灯の死の真相にも少しそぐわない。で、かなり紆余曲折があって、今の形に落ち着きました。設定が決まらないうちは、私たちだけでなく池田さんもやきもきしたかと思います」

三方「あと、ロケ地が寒かったですね(笑)。何事もなく終われてホッと胸を撫で下ろしましたが、北川さんはご家族を持ちながら仕事をされているので、いろいろ大変だったと思います」

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