鱗型屋の瞳に情熱が戻る…!
そのせいですっかり自信を失ってしまった春町から相談を受けた鱗形屋。自分が育ててきた作家を潰すわけにはいかないが、鶴屋にも借りがあるために強くは出れない。どうしたものかと悩む中、蔦重が須原屋(里見浩太朗)を通じて鱗形屋版の細見を仕入れていたことを知るのだ。
胸を打たれた鱗形屋は春町の才能を守るために、「おめえさんひとつ、春町先生を鶴屋さんとこからかっさらってくれねえか?」と蔦重に持ちかける。
そこに、蔦重からまたまた「俺と共に“案思”を考えて暮れの鐘」と粋な計らい。その瞬間、片岡愛之助の瞳にグッと力が入り、気落ちした鱗形屋に編集者としての情熱が戻ってくるのを感じた。
そこから蔦重と鱗形屋は手紙を通じて春町が食いつくような企画を考え始める。待ってました!と声を上げそうになったのは、きっと筆者だけではないだろう。
いつか再び2人が共闘する日を多くの人が待ち望んでいた。「金々先生栄花夢」はもともと、「面白い青本を作ろう」という蔦重と鱗形屋の思いつきから生まれたもの。当時から鱗形屋は蔦重を敵視していたが、一緒にアイデア出ししている時は心から楽しそうだった。