辛苦続き…薬師寺保(佐野晶哉)を支えたのは?

『Dr.アシュラ』第6話©フジテレビ
『Dr.アシュラ』第6話©フジテレビ

 そんな保の気持ちをふっと軽くしてくれたのは、幼なじみの圭太(藤堂日向)とその婚約者・あかね(紺野彩夏)だ。圭太が保を「自慢の親友」とあかねに語っていたこと、あかねがなんとなくで医者になった保に「なんとなくでもなれたのはすごいよ」と称えてくれたことは、なによりも保の心に活力を与えた。圭太の「俺は応援してる」という言葉は、丸まった保の背筋をピンと伸ばしていく。

 波乱のきっかけとなったのは、保の医療ミスだ。大黒(田辺誠一)から引き継いだ患者に、十分な診察ができないまま薬を投与。その結果、患者を苦しませることになってしまう。いくら患者が耳をかさなかったとはいえ、空欄だらけのカルテで判断してしまったことは、医師としての未熟さが出たと言われても仕様がない。患者からの信頼を損ねてしまう言い訳に、朱羅(松本若菜)がピシャリと叱責するのも当然のことだろう。

 保の辛苦はさらに続く。交通外傷で運ばれてきた患者が、あかねであると発覚。保も手伝おうとするが、ミスがトラウマとなったのか、触れることすらままならない。ナオミには、「出てってくれない?このままじゃ患者さんを助けられなくなるから」とまで言われてしまう。処置の指示を出していた朱羅は保を必要としていたはずなのに、言われるがまま初療室から出て行ってしまうのが切ないところ…。

 廊下には圭太がいて、「医者ならあかねを助けてくれよ」と迫るが、保は「ごめん」としか言えない。だが、圭太がエコノミークラス症候群による肺塞栓で倒れてしまったとき、「患者が助けを求めてるのに医者が諦めてどうすんの!」という朱羅の言葉に奮い立たせられた保は、圭太を救うことを決心する。決してひるまず、命と向き合う保の、まばゆいほどのひたむきさが印象的なシーンだ。

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