芙美子(山本舞香)という存在のありがたさ
それにしても、なつ美の友人・芙美子(山本舞香)は、利発すぎやしないだろうか。瀧昌との初喧嘩におどおどしているなつ美に、「喧嘩は着地点をいかに自分に有利に持っていけるのかが重要です」と伝えて、加勢をしてあげる。
実際になつ美は、「仕事と言えば、なにも言えないと思って…」と思いながら、瀧昌を許そうとしていた。そんななつ美のモヤモヤを察知してか、瀧昌に「仕事を言い訳にするのは、いささか卑怯では?」「いっときでも帰宅して、顔を見せることは可能だったのでは?」と言ってのけた芙美子。こんな親友がいてくれたら、心強すぎる!
芙美子は、自分が悪者になって、なつ美の気持ちを代弁してあげただけかと思ったが、目の前で他人が自分以上に怒っていると、当人は怒れなくなるだろう…という思惑もあったらしい。
その思惑に気づいたのが、瀧昌の同僚・深見(小関裕太)だ。江端家からの帰り道、芙美子に「お見事でしたね〜」「なかなかいい援護射撃だったでしょ?」と声をかけていたのだが、この言い方がまたチャラすぎる!
ただ、芙美子とは案外相性が良さそうな気も…? 個人的には、「ちょっと黙っていてもらえませんか?(芙美子)」「いいえ、黙りません(深見)」というテンポの良い掛け合いが好きだった。
なつ美×瀧昌が、癒し系ポワポワ夫婦だとしたら、深見×芙美子は、正反対のサバサバ夫婦になるはずだ。郁子(和久井映美)が言っていたように、海軍というのは、今晩事故に遭ってもおかしくない。
明日、有事があってもおかしくない仕事だ。だからこそ、なつ美は海軍の妻として、いつなにが起きてもおかしくない覚悟と心構えを持っていなければならない。
芙美子が深見と結婚すれば、なつ美は瀧昌の帰りをひとりで待たなくてもいい。芙美子と一緒に不安を分かち合うことができたら、どれだけ心強いか…。