求められることへの喜び
だが、そんな中で後輩の渚(宮本茉由)から、路上で凍也が夏音の髪の毛を掴んで暴れている動画を見せられる。凍也は夏音の行方を突き止め、家に連れ戻そうとしていたのだ。
そのことを知ったあやめは、当てつけのように今野(大倉孝二)から誘われた先方との飲み会に参加。すっかり帰りが遅くなってしまい、激昂した凍也に再び暴力を受ける。
あやめの首を絞め、殴る、蹴るなどの暴行を加える凍也。そして散々暴れた後、「母さんに捨てられて、夏音にも…。あやめにまで捨てられたら……俺」と不安を口にする。勝手だ、勝手すぎる。
けれど、親からの愛を渇望する子供みたいに泣くその姿を見たら、放っておけなくなるのも分からなくはない。なおかつ、仕事で自分の存在意義を感じられなくなってしまった今のあやめは、どういう形であれ、求められていることに喜びを感じてしまうのだろう。ついには「私のためだったんだね…ありがとう」と凍也の暴力を受け入れてしまった。