“海斗”と“勇気”を演じる宮世琉弥の演技の深み
今回、宮世琉弥が演じた“氷室海斗=渋谷勇気”の複雑な人物像も見逃せない。冷酷な印象を与える場面も少なくなかったが、彼がふと見せる寂しげな表情や、内なる葛藤をにじませた佇まいから、「この人物も何かを背負っているのだ」と多くの視聴者が感じ取ったに違いない。
海斗の二面性がリアルに伝わってきたのは、宮世が台詞以外の表現で、内面の苦しみを丁寧に演じていたからだろう。
そんな宮世は、俳優としてのキャリアこそまだ若いが、その存在感は圧倒的だ。2018年8月にM!LKに加入し、アイドルとして多くのファンを魅了してきた。ステージで歌い、踊る姿は、多くの観客に夢と希望を与えている。
その後、2020年1月に俳優業に専念するためM!LKを卒業。以降は、甘いルックスと豊かな表現力を武器に、多彩な役柄を演じてきた。2022年放送の『君の花になる』(TBS系)では、愛嬌たっぷりの大二郎役で人気を博し、2025年1月期の『問題物件』(フジテレビ系)では極度の人見知りな室長・雅弘をリアルに演じきった。
今夏には音楽フェス「The MusiQuest」への出演も決定しており、俳優として、そして表現者として、彼の今後の活躍からますます目が離せない。
【著者プロフィール:西田梨紗】
アメリカ文学を研究。文学研究をきっかけに、連ドラや大河ドラマの考察記事を執筆している。社会派ドラマの考察が得意。物心ついた頃から天海祐希さんと黒木瞳さんのファン。
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