まさにあっぱれ決断…。

『PJ ~航空救難団~』第5話 ©テレビ朝日
『PJ ~航空救難団~』第5話 ©テレビ朝日

 彼女は自分自身を救い、去ることを決断したのは宇佐美にとっても救いとなったと考えるのは傲慢だろうか。自らの言動が藤木を追い詰めることになったと反省しきりだった宇佐美。失意のうちに藤木が去っていたら、宇佐美の教官キャリアに暗い影を落としていた可能性もあるだろう。

 それでも藤木は、強がりでもなく、前を向いて辞退を決めた。最後には自分のことが好きかという問い掛けに対して笑顔で「はい!」と答える藤木に、安堵するように宇佐美は微笑む。まさにあっぱれな最後であった。

 ドラマとしても、教官側から失格を告げるのではなく、学生の成長を見せて自ら辞退を申し出るという流れは鮮やか。誰も悪者にならず、かつ感情が猛烈に揺さぶられる。「藤木、まだやれるだろ」という思いに後ろ髪を引かれる感覚もあるものの、彼女の心中を直接聞くことで最終的には旅立ちを応援できる気持ちとなれた。

 全員で卒業することがかなわなかったという悲しみが胸に残る中、基地ではさらに不穏な雰囲気が漂う。大雨による災害で新たな救難任務が発生した模様。子供が生まれたばかりの仁科(濱田岳)も就くことになりそうで悪い予感がするばかりだが、果たして…。

【著者プロフィール:まっつ】

1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。

TVer(ティーバー)での視聴はこちら。

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【了】

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