「『くだらない』は最高の褒め言葉」ドラマ『人事の人見』プロデューサーが惚れこんだ俳優・松田元太の才能とは? インタビュー
text by 編集部
これまでありそうでなかった「人事部」を舞台にしたドラマ『人事の人見』(フジテレビ系)が放送中だ。今回は、本作のプロデューサー・後藤博幸さんにインタビューを敢行。佳境を迎える本作について、ドラマ作りへのこだわりや、主演の松田元太の魅力など、制作裏話をたっぷりと伺った。(取材・文:ふくだりょうこ)
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日本の多くの方に共感してもらえるドラマを
―――本作の着想はどういったところだったのでしょうか。
「10年くらい前から、会社の人事部や総務部を舞台としたドラマを描けるんじゃないかと考えていたんです。そういったことをテーマにしている原作もありましたが、せっかくならオリジナルで実現させたいと思い、企画を温め続けてきました。総務部ではなく人事部を舞台にしたのは、自分自身が会社で何かあった際、どこに相談するべきか迷ったときは、人事部に相談していたことが多かったんです。そういったことを踏まえると、人事の方がいいのかなと。
人事部というセクションのある会社は多いと思いますし、どんな会社でも、日々些細なことから大きなことまで、アクシデントやトラブルは起こっており、その際の相談は人事部に持ち込まれるということは取材でも分かりました。それで、日本のいろんな方に共感していただけるのではないかな、と思ったんです。そういうところを真正面から扱った連ドラは、意外とこれまで少なかったのではないでしょうか」
―――舞台が人事部ということもそうですが、文房具メーカーというところも珍しいように思います。
「ありがちな設定は避けたいという思いはありました。いろんな案が出ましたが、文房具メーカーは身近なわりに、設定としてはレアな部類に入るんじゃないかということで、すんなりと決まりました」