仲間の裏切り…宇崎(間宮祥太朗)の本心は?
高井戸の裏切りに対して、もっとも感情的になっていたのが宇崎だった。宇崎はわざわざ高井戸のことを待ち伏せて、直接、文句をぶつける。「自分から見えるものだけを正義だって思うなよ」という高井戸の言葉も、彼は真正面から受け止めていた。
仲間だと思っていた人間が敵側に寝返った怒りもあるだろうが、おそらく宇崎はこれまでの言動から、高井戸が熱い思いを秘めていることを知っていたからこそ、彼の裏切りを許せなかったのではないだろうか。
商品不良の責任を取引先から押し付けられ、多額の賠償金を背負い破産した高井戸工業。そんな父親の過去を背負う高井戸もまた、決着をつけるための火種をずっと燻らせていた。
やがて宇崎の暑苦しいほどまっすぐな思いは、原告側を焚きつけるだけでなく、秘書課長の小谷や身内でもある高井戸の心にまで熱を伝導させる。高井戸が裁判のあとに千賀に面と向かって放った「零細企業舐めんなよ」というセリフには、第4話で原告側となった牧田材木店の社員たちの思いも背負った言葉だったように思えた。
宇崎と伊野尾のゆるっとしたやりとりも好きだが、馬鹿正直な宇崎と正直じゃない高井戸の関係性も悪くない。タッグを組むシーンが観たくなるペアが増えていくのも、このドラマの魅力のひとつだ。