華(永野芽郁)の生々しい怒り
前回から続く本エピソードにおいて、筆者は華の考えにはまったく賛同できない。しかし、そんな倫理さえも踏み越えるほどの感情を曝け出す彼女を演じ切った永野芽郁の芝居は見事という他なかった。
「ニュースゲート」の生放送では、進藤と舌戦を繰り広げて、相手のコメントに対して食い気味に噛みついていく。徐々に感情の抑えが効かなくなって、火花を散らしながら本心が漏れ出ていくさまを、彼女は生々しいほどの怒りを伴って演じてみせた。
さらに、華が犯罪に手を染めないように、急いで現場へと駆けつけた本橋の表情にも惹きつけられる。華に対する本橋の憧れや好意は、時折、物語のなかでも映し出されていたからこそ、行動を起こした彼の覚悟は並大抵のものではなかったはずだ。道枝の必死で懸命な表情は、どうしても華をここで止めなければならないと訴えかけるものがあった。
永野の感情的な芝居に登場人物たちが呼応したことで、病院での一連のシーンは、引き摺り出された感情が目に見えて溢れていたように思う。それぞれのキャラクターの心情を精一杯、曝け出した役者たちが作りあげた、すばらしい一幕だった。