“痛み”を楽しむこと

『続・続・最後から二番目の恋』第7話 ©フジテレビ
『続・続・最後から二番目の恋』第7話 ©フジテレビ

「っていうか、ぶっちゃけどうなんすか!? 成瀬先生の出現によって、少しくらいはやきもち妬いたりしたんすか!?」とふざけながらも、「わたしは、ちょっと少しですけどやきもち妬きました」「わたしも、ほんの少しですけど、もちろん妬きましたよ」と本音を言い合う2人。

 ここまでストレートに愛の言葉を伝えられるのは、“相手が受け止めてくれる”という信頼があるからだと思う。

 千明に好意を寄せている成瀬は、千明よりも千明の気持ちを知っている。だから、和平に宣戦布告をする前に、降伏宣言をしたのだろう。

 しかし、和平と一緒にいる千明を見た時の胸の“チクチク”を、“いい痛み”と表現する成瀬のセンスにキュンとした。「いい痛みっていうのもある。だから、このままチクチクさせておこうと思ってるんです」と言えるのは、きっと成瀬が年齢を重ねて余裕ができたから。

 失恋の傷だって、大事な人を失った喪失感だって、いつかはだんだん薄れていく。それを知っているからこそ、成瀬は“チクチク”というマイナスな感情さえも、楽しむことができるのだろう。

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