治療を拒む橋本悟(渡辺哲)にどう向き合う?

『Dr.アシュラ』第7話©フジテレビ
『Dr.アシュラ』第7話©フジテレビ

 そんな折、マンションから誤って転落した患者・橋本悟(渡辺哲)が運ばれてくる。彼は医者で、末期がんを患っていた。そのため、命を救われたとしても長くは生きられないと治療を拒んでしまう。救命は人を助けるための場所だが、病に苦しむ人生をほんの少し延ばすのか、それとも患者の言う通り何もしないべきなのか、考えさせられるケースだ。

 橋本との出会いは、朱羅の心に波紋を呼んだ。治療を拒む橋本と、命を絶対に諦めない朱羅は、まるで水と油のように反発し合う。橋本にとって朱羅の存在はストレスになり、また朱羅にとってもいい影響を与えない。離れた方が賢明だと大黒が言うのは、それがお互いのためになるからなのだろう。

「ただ命を延ばしただけで、人を救ったと思ったら大間違いだ」「患者の意思を踏み躙ったお前は、いつか地獄に落ちる」という橋本の言葉は、朱羅の行った救命を強く否定するものだった。命を救ったとしても憎まれてしまうのが切ないところだが、橋本の苦しみも痛いほどわかる。

 それでも、最後まで治療する責任があると向き合い続ける朱羅。けれど、身を削って働いているうちに、いつしか朱羅にも限界という文字がちらついてくる。

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