『PJ ~航空救難団~』第6話考察&感想レビュー。大迫力に息が止まる…人命救助の重みがリアルに伝わるワケ【ネタバレ】
text by まっつ
内野聖陽主演のドラマ『PJ ~航空救難団~』(テレビ朝日系)が、放送中だ。本作は、航空自衛隊航空救難団に所属する救難員、通称PJ(パラレスキュージャンパー)を育てる救難教育隊を舞台に、教官と訓練生の心震える群像劇。今回は第5話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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告発文を出した人物は?
残酷なほどにリアルだ。
木曜ドラマ『PJ ~航空救難団~』(テレビ朝日)第6話では救難教育隊の主任教官・宇佐美誠司(内野聖陽)にパワハラの疑惑が上がっていた。藤木さやか(石井杏奈)の救難員辞退を受け、告発文が届いたのだ。
第5話で藤木は自ら救難員過程を辞退した。そこには葛藤や苦しみはもちろん、清々しさまでが含まれ、一言では言い表せない決断の意味が内包されていた。
ひとつ言えるとすれば、藤木の辞退理由にパワハラなどが介入する余地など一切なかったということ。他でもない訓練生たちが宇佐美を何より慕い、信頼しているのだから。藤木は航空自衛隊航空救難団が去ったためもういないが、残された訓練生たちは当然該当する行為はなかったと抗議する。
しかし、実のところ告発文を出していたのは訓練生の一人、長谷部達也(渡辺碧斗)だった。誰よりも宇佐美に敬意を払っていたのになぜという思いが一瞬よぎる。
彼は訓練生の中では比較的“劣等生”と言える部類に入っていた。だからこそ、すぐ近くで藤木の夢が潰えていくのを見たとき、不安や迷いが彼の胸に溢れたのだろう。その薄暗い心情は第6話を通じて垣間見ることができ、精神的な弱さから誤った行動を取ったと考えても不思議ではない。